■楽曲解説
最初、ベストアルバムを出す事に何の魅力も感じなかったからイヤだった。ベストが出せる人っていうのはそれなりに楽曲を生んできて、その中から選りすぐりというのがある訳だから…。何のきっかけも理由もなく出すのは失礼な話だなと思った。アーティスト浜崎あゆみにすごく無理をさせてきて、こんな締めくくりはないでしょうって。[2001年4月9日発売 No.14・雑誌オリコンThe Ichiban参考]
『A Song for ××』『Trust』『Depend on you』が歌い直しされている件について―
『A Song for ××』『Trust』『Depend on you』は新たに“今のayuの声”でニューレコーディングされている。その楽曲は過去に既にCDになっていて、聴こうと思えばいつでも聴ける。しかし、昔の曲を“今の浜崎あゆみ”の歌い方で聴こうと思ったらライブに来なければならない。でもライブに来れる人数は限られているし、余程の興味が無いと足を運んでもらえない。更に、新しい事をやろう、今までと違ったものを…と思ってやっているから、この3曲を単純に並べた時に、聞きづらかった、だから歌い直しをした。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
ジャケ写が白黒であることについて―
オリジナルアルバムはその時々、時代を反映させ、その時の浜崎あゆみが分かるものにしたい。『Duty』をみれば、あの時ヒョウ柄が流行っていたね、など。しかしベストというのは、いつのものでもなく、いつ聴いてもベストはベストでしかない、だから流行りや時代を反映させたものではなくシンプルなものにしたくて白黒にした。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『A Song for ××』歌詞は子ども時代を振り返って書いたもの。その頃抱いていた疑問や不安、感じていた事がテーマになっている。
『Trust』98年5月、ロス滞在中、ホテルで歌詞を書いていたが気分が落ちてしまい書けなくなった。そんな時プロデューサーやスタッフを外に出よう!と誘い、4時間位同じ場所をグルグル回っていたときに生まれた曲。車で何も言わず一緒に居てくれた。温かい空気だった。“信じる”というフレーズを2度も使っていることに気付いた時、自分は何かが変わった、何か信じれるものを見つけたんだろうな、と感じた。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『Depend on you』これはこの1年で何が変わったんだろうかと考えた時、人を信頼できるようになった事だと思った。そう思ったら自分も信じれるようになった。自分を信じられないと相手も信用できない。自分を好きになる事で自分を信じてもらえるようになったんだと思った時、強くなれた。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『LOVE~Destiny~』DestinyにはRefrain(LOVEppearsに収録)という原曲があったが、理由があってボツになった。作り上げたものを一から作り直すという作業に苦労した。そのためDestiyは自分の曲だけど完全に自分の曲になりきれてない部分がある。だが原曲のRefrainを『LOVEppears』に収録できた事で気持ち的には晴れた…。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『TO BE』はこれまでのシングルよりもコーラスが厚く入っている。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『Boys&Girls』初めて“僕”という単語を使った曲。このころはいつも難しい顔をしていた。『Boys&Girls』が転機になることを感じていて、どうしていいかわからなかった。それを悟られまいとバリアをはっていた。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『Trauma』こういう事を伝えたい、でも心の中はこんなモヤモヤがあると、ありのままの姿を出そうと思った。残酷や狂気など、別の言葉に置き換えた方が良いのではないかと考えたが、正直な気持ちを伝える為にあえてそのまま使っている。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『End roll』映画の結末を知ってしまうのが怖くていつもエンディングまで観ずに出てしまう。でも最後まで見ると出口が混むなとか、明るくなってしまうとか、そういうしょうもない事を考えてしまう。でもそれが浜崎あゆみの象徴。ホントはやりたいことがあるのに、しょうもないことを気にして肝心な事が出来ない、強がっていて不器用。そんな浜崎あゆみがいつの日か映画の最後に流れるエンドロールを観れたらいいなという願いも込められている。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『appears』一見幸せそうな恋人達が過ごす当たり前の日常を第三者から見たもの。[20010年6月号・雑誌beatfreak参考]
『Fly high』ラップの部分はayuの独り言みたいな感じにしようと思った。聴かせてあげたい、そう思って作った曲。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『vogue』エキゾチックなサウンドというのは誰かが発表しては忘れられてを繰り返していて、ファッションも音楽も流行というのは繰り返す。じゃぁ流行りもんだしやってみる?という感じがキッカケ。だからタイトルも「vogue」=流行が出てきた。ayuっぽくないと思われるかもしれないが、皆がイメージするayuらしさ直球の曲は今は作りたくなかった。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『Far away』99年10月、浜崎あゆみさんの誕生日に作曲してくれたカズ坊と長尾さんの2人が贈ってくれた作品。誕生日に2人がMDをプレゼントしてくれるというので、HAPPY BIRTHDAY~♪誕生日おめでとう!という感じかと思ったら、2人がひそかに作ってくれたメロディーだった。
いつも目にしている景色を見たくなくて都心から近いようで遠い、車で3時間位のところをグルグルと移動していた。誰とも連絡を取りたくなかった。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『SEASONS』
昨日の事を悔やんだり、明日を期待したり、自分は今をどうにかする事しか出来ない事を書こうと思っていた。しかし詞を書く過程でその自分が存在している今さえ否定しまう自分がいることに気付いた。その心の葛藤を表現した作品。『vogue』『Far away』『SEASONS』はすごく製作に時間がかかった。歌えなかったり、途中でスタジオを後にして帰ってしまった事もあった。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『SURREAL』それまでの音とはちがうサウンドに変えてしまう不安もあった。今までとこれからの自分とを模索しながらこの曲は生まれた。
ラナイ島で撮影したプロモーションビデオ。撮影で2~3日くらい寝ていない状況に、マネージャーが色々な色のペンを取り出して、壊れてしまったのか突然“HAPPY”と書きだした。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『M』2000年最後にして初CREAの作曲となる。プロデューサーと浜崎さんの意向からクリスマスソングにしよう!という事で色々な人に曲を書いてもらったが、中々思うようなものがあがってこなかった。これはもうCREAしかいない!と思った。今までのPVは照明が当たってニコニコしながら歌ってるものが多かったが、違う画にしたくてバンドメンバーに参加してもらった。すごく新鮮だった。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]
『Who...』最後に“...”とピリオドをつけたのは、はっきりしていない所を表現したかった。日本語でいう、うーん…みたいな感じ。AなんだけどAじゃないかもしれない、そういう意味が含まれている。[2001年6月号・雑誌beatfreak参考]