【楽曲解説・2004年8月号・CDでーた参考】
「INSPIRE」
制作に入る前に「ニューヨーク”グッデンハイム美術館」のイメージソングというのが決定していた。スタッフは暗黙の了解で美術館＝バラードと思っていたようで、バラードを薦めてきた。だからそういうつもりで歌詞や歌入れをしていた。でもayuの中で何かが違った。依頼が来た理由をもう一度考えて、展示会が渋谷で行われること、若い人たちにアートを触れて欲しい、作品の持つパワーを感じて欲しい、今までの美術館のイメージを払拭してほしい。それなら今のayuでなければ出来ない事をしないと意味が無いと思い、バラードよりメッセージをもっと投げかけれるような、パワーがあって意志のある曲にしようと決めた。そういう事を念頭に置きながら候補音源集を聴いたとき、『INSPIRE』のデモが耳に入った。改めてじっくり聴いた時、美術館、新曲をリリースする意味がすごくマッチした。タイトル選びでいつも難航する。アイディアをスタッフに相談したら、提案してきたタイトルの中に「INSPIRE」があった。「INSPIRE」の意味は自分のイメージ通りで分かりやすくて耳になじむ。インパクトがあって直感的で感覚的。だから『INSPIRE』にした。PV撮影はロサンゼルスで行った。『RAINBOW』の撮影を渋谷で撮ったときは人が集まり過ぎて思うような絵がとれず撮影が一時中断したりした。海外の場合は街中どこでも撮影に集中できるし、そういう意味ですごく環境がいい。海・砂漠・街、それぞれの場所はつながっていてそれぞれに意味がある。PVを観終わった時に導き出す答えはそれぞれ違うだろうし、違っていてくれたほうが作り手として嬉しい。

「GAME」
主人公は、人生は[GAME]ではないと思っているけど、[GAME]と思わなければやっていけない。今まで生きること全てを[GAME]のように操り遊んできたのかもしれない。だけど[GAME]じゃないことに気付いてしまった。人生は[GAME]、そうやってすべて割り切ってきた主人公が見つけた物は、『INSPIRE』の何度でも立ち上がる強さではないだろうか。